キミへ告げる想ひ
「かつら被ってみる？」
と冬実。

「その方が変になると思うよ。
多分今よりもっと違和感だらけになる気がする…」

冬実の案は真奈にあっさりと一蹴されてしまった。


「いっそのこと化粧してみれば？」

そう言ったのは純子だった。

その純子の案はみんなをより驚かせた。

「化粧ってどういう風に？」

「やっぱり顔隠すには化粧が一番じゃない？

だから微妙に化粧しておけば桂碁の正体がバレることはなくなると思うんだ」

「でも誰が俺に化粧してくれるの？」

「そこは…、出来る人じゃないと…」

「私がやろうか？」

そう言って手を挙げたのは冬実だった。

「冬実出来るの？」

「まだ少ししかできないけどね。

お姉ちゃんに教えてもらってる最中なんだ。

だから少しは出来ると思うよ」

「じゃあよろしく…」

桂碁はそうとだけ言った。
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