あのとき離した手を、また繋いで。
プロローグ
君のことなんか、忘れたかった。
できることなら君と出会う前に戻りたかった。
君への想いなんか、すべて消えればいいと本気で思ったよ。
だけど、そう願えば願うほど、君の存在は色濃く私の心中に刻まれていった。
……ねえ、覚えてる?
高校生だった私たち。
あの頃の私たちはまるで世界にはふたりしかいないみたいに、溺れるように恋をしたね。
はじめて大切な人ができた。
生まれてはじめて信じてなかった"永遠"を信じてみたいと思ったの。
だけど、絶対に離したくないと思った手を、私は、私から手離した。
もしもひとつだけ、願えば叶うのなら、私はまた君と恋がしたい。
こんなこと言うと君は笑っちゃうかもしれないけど、私は今でも君が大好きなのです。
会いたいです、とても……君に。
私じゃない女の子の隣で笑う、君に。
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