私の彼氏と浮気してください。
浮気の作戦とか、嘘とか、そんなのよりも今やっと気がついた気持ちを伝えたいと思ったのに。
やっと少しは素直になれたのに。

こんな単純なことなのに遠回りしすぎた罰なんだろうか。


もうほとんど無い意識の中涙は溢れるばっかりで。


ゆっくりゆっくり意識がなくなっている気がするのに、現実の秒針はやたらと遅い。
きっと今私の思考は次元が違うどこかですごいスピードで流れてるんだろうなんて変なSFを考えてしまう。


もう目が覚めないかも。
もう瑠斗と会えないかも。


嫌だな…それは。……嫌だよっ!!


最後まで私は言葉が出ない口を動かすつもりでひたすらに夢を唱え続けた。
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