私の彼氏と浮気してください。
中庭は10月末にしては暖かかった。

空は暗くなりつつあるけど、今日は暖かかったのだろう。確か、お天気キャスターさんが「晴天」と嬉しそうに言っていた。

それでもひんやりとする石のベンチに腰掛けて誰もいない屋上を見上げた。

太陽は屋上に吸い込まれそうな位置まで降りてきた。

実を言うとあの作戦は難航していた。

あんなに遥ちゃんにアプローチされたら揺らぐだろうけど、やっぱり瑠斗は律儀なのだ。
< 43 / 198 >

この作品をシェア

pagetop