私の彼氏と浮気してください。
「私の友達がね、瑠斗君に告白されたんだって」


「え?」


勿論、嘘だ。
こんなの作り話なのに、遥は傷ついた様な顔をした。

私は嘘しかつけない様な人だから、

ごめんね…遥ちゃん…


「でも、その子瑠斗君好きじゃなくて、嫌だから諦めさせてって言われちゃって」


明らかに面倒くさそうな顔をして見せた。
自分でも怖いぐらい声音もそれっぽい。
女優になれそうとか馬鹿みたいなことを思う。

「瑠斗君を諦めさせてほしいの」

「私に?」

私はゆっくり頷く。

「遥ちゃんは諦めていいの?」
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