私の彼氏と浮気してください。
絞り出し、かわいた喉から出たその声は震えている。


「明日検査がある。多分前よりもっと酷い宣告を受ける」


何をいえばいいのか植本君は悩んで辛そうな顔をする。
未来がある人にはちょっと難しいことを言ってしまった。
やっぱりこんな話他人にすべきじゃなかった。
罪悪感で一杯になる一方で瑠斗に言わなくてよかった、と改めてほっとした。


「植本君、だからね、瑠斗のことお願いします。」


「そ、んな…」
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