私の彼氏と浮気してください。
「逃げてきた先が教室…?」


「一時避難?」


「ばれるでしょ」


「ですよね…」


教室に入るや、否や私の手首は解放され、植本君は奥の方の席に歩いていく。

「あ、ここ植本君のクラスか」


「自分のクラスだと思ってたの」


からかい口調はそのままにして私は黒板に近寄る。
隅の方にイニシャルがふたつとハートの形が並んで書かれているのを見て懐かしい気持ちになった。
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