もう一度、君と。
「ねぇねぇ、尋!
私いまから先生に志望動機見てもらうからさ
帰るのもうちょっとだけ待っててね?」
「あぁ、いいよ。ここにいるから終わったら来て」
「ありがとう!もっきゅん、またね」
彼女は華奢な掌を俺らに振って学習室を出ていった。
「あいつ、学習室で騒いで出ていったな。
迷惑なやつ」
そういっても、眼鏡の奥の瞳はめっちゃ優しい尋くん。
「尋くんって、みつなさんのことすげー好きなんだな!」
尋くんは八の時に眉を潜めたがすぐに
口角を緩やかに上げて微笑んだ。