愛し紅蓮の瞳
そう、その魔亜羅と言う鬼を封じられたのが光蓮様の息子である、紅蓮様と言うわけだ。


鬼は紅蓮様に妖の力を与える代わりに、紅蓮様の中で日々復活する力を吸収しているのだと光蓮様は泣いていた。



紅蓮様がもし、鬼に飲み込まれてしまったら……それは紅蓮様の死を意味すると同時に、鬼の復活をも意味するのだ、と。






なんて、光蓮様から聞いたことを頭の中で整理してみるけれど、実際のところこれっぽっちも実感が湧かない。


だって、妖とか、白虎とか鬼とか……普通に考えて「なるほど、そういうことか!」なんてすぐに受け止められる?


ううん。無理。


絶対無理。



まるで小説の中、あるいは映画の世界にでも飛び込んでしまったんじゃないかと思うほどSF感満載すぎて、私には瞬時に事が飲み込めなかった。



そんな私に説明の最後で光蓮様はこう告げた。



『紅蓮を救えるのは、紫黒の巫女だけなのだ』と。




つまり、その紫黒の巫女とやらに再び鬼を封印してもらえば紅蓮様は助かるのだろうか。


でも、心に鬼を飼ってるんだよ?
そう簡単に封印ってできるものなの?

……て言うか、そもそもどうやって封印するの?呪文唱えるとか?あ、巫女様ってことはあれか!弓矢でパァ〜ン!的な?
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