愛し紅蓮の瞳
東雲家や東里家の他に、北や西の偉いどころも召集されていたこの親子結びの場で、皆に見守られながら無事に東里の一員になれた喜びと、これからへの不安が交差する。
「皆も盃を」
突然響いた光蓮様の言葉に部屋を見渡せば、いつの間に準備されていたのか、部屋にいる皆の手に盃が握られていた。
その盃を天にかざして、「乾杯」と言う掛け声と共に皆が3度に分けて飲み干した。
「こうして皆で盃を交わすことで、主従関係にある東雲家に蘭が認めれ、また西や北にも蘭が東里の者であると言う認識が付いた。もうこの世で心配することはなかろう」
唖然とする私に、小さな声で夜雨さんが教えてくれる。
私たちだけじゃなく、ここにいる皆が盃を交わすことの意味を理解したとき、この世界の深さを改めて思い知る。
私がいた世界とは、似ても似つかないけれど
今こうして、私の生きる場所になった。私は、今日からここで……東里 蘭として生きていく。
そう、自分の中で強く決意した次の瞬間。
突然立ち上がった紅蓮が、小上りに座ったままの私に向かってズカズカと歩いてくるのが見えた。
「皆も盃を」
突然響いた光蓮様の言葉に部屋を見渡せば、いつの間に準備されていたのか、部屋にいる皆の手に盃が握られていた。
その盃を天にかざして、「乾杯」と言う掛け声と共に皆が3度に分けて飲み干した。
「こうして皆で盃を交わすことで、主従関係にある東雲家に蘭が認めれ、また西や北にも蘭が東里の者であると言う認識が付いた。もうこの世で心配することはなかろう」
唖然とする私に、小さな声で夜雨さんが教えてくれる。
私たちだけじゃなく、ここにいる皆が盃を交わすことの意味を理解したとき、この世界の深さを改めて思い知る。
私がいた世界とは、似ても似つかないけれど
今こうして、私の生きる場所になった。私は、今日からここで……東里 蘭として生きていく。
そう、自分の中で強く決意した次の瞬間。
突然立ち上がった紅蓮が、小上りに座ったままの私に向かってズカズカと歩いてくるのが見えた。