愛し紅蓮の瞳
「ね、ねぇ……紅蓮?」



完全に寝ちゃったかな?と、少し控えめに名前を呼べば、私を抱きしめる腕にギュッと力がこもる。


「……ん?」


すんごい眠そうな声。


何こいつ、の〇太くん並に寝るの早いわけ?布団に入ると瞬間的に眠れる才能とか持ってるわけ?


私なんて布団に入ってから右に寝返り、左に寝返り、結局ウトウトするまで早くても20分はかかるのに。


こんなにすぐに眠れるんなら、抱き枕とか入らないじゃん。


1人で広々寝ればいいじゃん!!!


私ばっかり、変にドキドキさせられて悔しいし、ドキドキしてる自分に腹が立つし。


でも言わせて、違うから!
このドキドキは決してときめきじゃないから!!



「寝るの早すぎ……私、こんなんじゃ寝れないし」


18時。(って言っても私の腹時計だけど)
朝まであと何時間あると思ってるのよ。


「やっぱり、お前がいると眠い」


「っ……!」


寝てるとばかり思ってた紅蓮が、突然 話し始めるから、抱きしめられている私は必然的に耳元で紅蓮の声が聞こえて来て、くすぐったさに体を丸めた。



「普段は一睡もできねぇのに」


「え?……一睡も?毎日?」


そんなの、体に悪すぎるよ。
紅蓮こそ、バカなんじゃないの?
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