狂愛彼氏
そして、ハッとあることに気付いた。
(っ裸……!!)
目の前には上半身裸の疾風。よくよく考えれば、私もシャワーを浴びようとしていたから裸なのだ。
(あ、アホだ……!!)
何醜態をさらしてるのよ……っ
「どうした?」
「は、離してっ」
そして服を着てください!!
疾風から逃げるように身を捩るけれど、疾風は離してくれない。
「今更、昨日隅々まで見たのに?」
「!!??」
「全部知ってるんだぞ?」
クスクスと楽しそうな疾風にあたしは顔に熱が集まるのを感じる。
「そ、それとこれとは……!」
「違うって?」
ぐるんと視界が反転。
一瞬、何が起きたか分からず、パチパチと瞬きを繰り返すと、ニュッと疾風が顔を覗かせた。