狂愛彼氏
頬がひきつっている。
「別に………嬉しかったし」
「えぇ?」
「それだけ私を思ってくれているんだよ?初めてだもの」
あれ以来、否、あれ以前にも同性とも異性ともあまり関わろうとしていなかった私に、疾風はそう言ってくれたのだ。
「…………そうだよね」
「愛麗?」
「あたし達は、仕方ないよね」
フッと諦めたように愛麗は笑った。でも、と愛麗は今度は違う笑みを作る。
「あたし達は、それが幸せだしね」
「?」
「お互い、大事にしていこう」
「うん」
頷くと同時に授業開始のチャイムが鳴る。チャイムと共に入ってきた講義の先生を確認すると、愛麗は立ち上がり自分の席へと帰っていった。
ふと、携帯が気になり、こっそりと携帯を開く。