狂愛彼氏
メールが四件。
その内二件は愛麗で一件はメルマガ。
そして、最新は、さっき別れたばかりの疾風から。
愛麗のメールは大体の内容は予想できてるから後回しにして、少しだけワクワクドキドキしながら疾風のメールを開く。
(相変わらず質素)
絵文字もなければ顔文字もないシンプルな文のみのメール。
(帰り、いつものとこに)
いつものとこはさっきの場所。
了解しましたと心の中で返事をして、私は、その下にある文字に思わず頬を緩めてしまう。
(―――――好き)
たった二文字。
その二文字は私にとってはとても大きなものだ。
(―――――私も、好き)
心の中で呟くけれど、メールには待ってるとだけを返す。
意地悪だ。
きっと剥れるだろうな、と予想が出来る辺り疾風は扱いやすいのかもしれないとボンヤリ思った。