狂愛彼氏

「仲が良いんだね」

「まぁねー」

「どんな人?」


二人でトイレから出る。


「んー……いい人、かな?」


曖昧な言い方に私は、首を傾ける。
真菜は苦笑する。


「あんまり前ほど好きじゃないんだよね」

「好きじゃない?」

「そ、滅多に会えないし」


はぁ、とため息をつく。


「そうなんだ」

「だから遥ちゃんが羨ましい」


毎日会っているの?と聞かれて私は、小さく頷いた。


「そっかぁ―…付き合ってどのくらい?」


真菜の問いかけに首を傾ける。


付き合って―――どのくらい?


えっと、初めて会ったのは五年前で、再会したのは先月。
好きと言われたのは先週。


本当の意味で繋がったのは、昨日。


(あれ、どうなるんだっけ?)


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