狂愛彼氏
でも、やっぱり彼氏と過ごせる時間は大切にしたいと思うことは当たり前のことだと私は思う。
だって、私となんて毎日あっているもの。
「むー」
「優さんもきっと二人っきりになりたいって」
「………わかった」
頷く愛麗に私も頷いた。
「今度からは、二人だけで会いなよ?」
何時もの愛麗でいろという意味を込めて言うと、愛麗は、苦笑する。
「そうね。大変だ」
舌を出す愛麗。
何も言わないけど優さんはきっと気づいてるよ。
優さんと疾風さんの方を見てみると、二人も何やら話をしているみたい。絵になるくらいにカッコイイ二人だ。
優さんに、赤いカフェエプロンをつけた女の人が話しかけ、何かを渡す。
「愛麗、遥ちゃん、行こう」
「はーい」
手招きされて、二人の所へ。
自然と愛麗と優さんが並んで、私と疾風さん。
部屋に向かいながら、チラッと隣を見て、不機嫌そうなその表情に、この人とは合わないだろうな、と何となく思った。
「………お前、なんでついてきたんだ?」
「!」
いきなり質問が隣から降ってきて驚く。
見上げるとやっぱり、不機嫌そう。
(………わかんないなぁ)
そう思いながら、私は、取り敢えず答えた。
「最初は来るつもりなんかなかったんですよ」