狂愛彼氏
「私も、疲れた、かな」
「ん」
疾風は、一つ頷くと、優さんの肩を叩く。
「どうした?」
「帰るから」
パチパチと瞬きをした後、優さんはにっこりと笑って了解と頷く。
「よし、じゃあ観覧車乗って帰ろうか」
「観覧車?」
何故?と首を傾けると、愛麗があたしの手を取って立ち上がる。
「遊園地のしめといったら観覧車でしょ!」
(そうだっけ?)
観覧車なんて何時でも乗れるような、と思ったけど口には出さない。
愛麗は、さっきの拗ねていたのは何処にいったのやら、元気そうに歩いている。
笑顔の愛麗を見ていると私まで元気になれる。
「ふふっ……」
「?どうしたのよ」
「何でもないよ」
私は首を振って、少しだけ愛麗と繋いでいる手に力を込めた。