狂愛彼氏


「………知りたいか?」


ジッと疾風の視線は私の瞳ではなく、少ししたの方に向く。
その視線を追ってみるが特に何もなく、私は首を傾ける。


「―――随分、短い服だな?」

「っ」

「化粧なんかして――――化粧はするなって言ったよな……?」


背中を冷たいものが滑り落ちてくる。


(や、やばい……!!)


この時、聞かなければ良かったと心底後悔した。


「で、でもこれは私じゃなく、」

「愛麗がしたんだろ」


チッと舌打ち。
疾風は、あまり愛麗の事を気に入っていない様子だ。


「そ、そう」


頷けば、深くため息をつかれ、一瞬の間に、私はいつの間にか疾風の膝の上に移動していた。


「っ」

「分かってはいるんだがな」


不満そうな声が落ちてくる。


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