狂愛彼氏
同じ場所の同じ輝きに、安心する。
「遥」
「うん?」
ジッと指輪を見つめていた私は名前を呼ばれて顔を上げる。
「これで、俺達は一緒だ」
「一緒?」
「絶対外すなよ」
外したら、一体どうなるんだろう?
そんな疑問が去来してくる。
私の考えていることを読んだのか、疾風は私の頬を両手で包むと、唇が触れ合う位の距離まで顔を寄せた。
「外したら………お仕置きだろうな?」
にっこりと笑う疾風に、背筋が凍る。
冗談には聞こえない。
きっと疾風は実行するだろう。
「外さなきゃ良いんだ」
「………うん。疾風もだよ」
私だけじゃ駄目。
疾風も同じじゃなきゃ、駄目。
疾風は、一瞬目を見開くと、満足そうに目を細め、キスを交わした。
まるで、誓いの証のような、そんなキスだった。