狂愛彼氏




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自分の目の前に広がっている物に、ゴクリ……と喉が鳴る。
気持ちがいつも以上に高まっているのが分かる。


目の前には、頬杖をつきながら私を眺めている疾風さん。
その表情は、優しい。


(うわぁ―……)


私のテンションは最高潮に達していた。
目の前の机に並ぶのは様々なケーキ。
美味しそうな、私の大好きな、ケーキ。


「ほら、食え」

「………いただきます」


フォークを持って手前にあったケーキを引き寄せて一口サイズにきる。
そして、溢さないよう、口に運んだ。


「~~~っ」


美味しい!!


自然と頬が緩む。
ホイップクリームが甘くて、スポンジは柔らかくて、最高。


「美味いか?」

「すっごく!」

「そうか」


なら、良かった、と疾風さんは珈琲を飲む。



チラリと疾風さんの方を見てみると、疾風さんの前には珈琲しか置かれていなかった。


「………疾風さんは、食べないんですか」

「俺は、いい」


あんまり甘いもの好きじゃない。


そういって珈琲をまた飲む疾風さんに甘いもの好きじゃないなんてなんて勿体無い、と思いつつ、じゃあどうして私を連れてきたのだろうと思った。



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