狂愛彼氏
真菜と会話を進めていると、ピカピカと携帯が光る。
開くと疾風さんから。
(そうか、後で)
何か用事があったのかな?
でも、何も書いてないからいいんだよね?
簡潔な最後に私は、勝手に納得して、はい、と短文を送った。
丁度授業開始のチャイムが鳴り響く。
ゾロゾロと各々席に戻る中で、私は愛麗の姿を探す。
(愛麗、今日来ないのかな?)
朝からいないことは多いけれど、今、何故か愛麗に会いたかった。
愛麗が来たのは次の休み時間で、その姿を見たとき安心した。
それは、これから始まることの予兆のようなものだったと思う。
「………遥、あんたどうしたの?」
朝からいましたよオーラを出しながら、大きな欠伸をして私の所に来た愛麗の第一声がそれ。
「何が?」
「何時もと違う」
「そう?」
愛麗が何時もと違うというが、自分にしてみればいつもどおりなのだが。
「昨日、どうだった?」
顔をあげればニヤリとしている愛麗。
今日はすっぴんじゃん。
「どうって?」
「疾風さんとよ!」
興奮気味の愛麗に私は、ああっと頷く。
「別にケーキ食べに行って、送ってもらった」
「それだけ?メアドは?」
「交換した、けど……」
「まぢ?!」
ずいっと詰め寄られて引きながら私は、小さく頷いた。
愛麗は、私に隣に移るように言って空いたスペースにぴったりくっつくように座った。