狂愛彼氏


窓から見えるのは、見慣れた景色。
何処に行くのか分からないけど、この先に何が見えてくるかは知っている。


(駅前のカフェ………)


愛麗といく予定のカフェが見えてくるはずだ。
行きたくて、今度愛麗が連れて行ってくれるって約束してくれた。


(あ、愛麗と日決めてないや)


早く言っておかないと、愛麗は忘れっぽいから。
明日にでも言おうと頭にインプットすると、丁度カフェが見えてきた。
外観は、かわいらしくておしゃれな造りだ。
白と、茶色いレンガは道路からも目立っている。
カフェって外観を見て楽しむこともできるから好きだ。
ますます、行きたくなってきた。
わくわくした気持ちで見ていると、車が減速し始めた。


(あれ………?)


信号が赤になったのかな、と思って前の方を見ると、左にウインカーがついている。


あれ、あれ?


疾風の運転する車は、私が行きたくてたまらなかった駅前のカフェの駐車場に入った。


「………」


目を瞬かせる。
車が止まって、エンジンがきられても、私は、シートベルトをしたまま動かなかった。


「どうした?」

「ここ、」

「優がオススメだと」


私が言う前に疾風さんが言う。


優さんから………


(ん?)


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