狂愛彼氏
ちょっと待ってよ?
優さんから聞いたって?
優さんは愛麗の彼氏。
なんで、私の話題になったのかな。
まさか、優さんが甘い物好きには……見えなくはない、けど………
何だか絶妙なタイミングだなぁ……
まさかとは考えたくないけれど、もしかして愛麗が何か言ったんじゃないのかという仮説が頭の中に浮かんだ。
そして、それを断定するかのように、携帯がメールを知らせる。
(………愛麗…!)
勿論メールは愛麗からだった。
早速メールを開いた。
(なんか優が疾風さんにおすすめカフェの事を言って、駅前のカフェのこと言ったみたい。疾風さんにたくさん奢ってもらって…………は?)
何言ってるのこの子。
ご丁寧にハートマークまでつけてくれて、私が納得するわけないじゃない。
私は、直ぐ様返事を打った。
To 愛麗
Sub
添付
本文
――――――――――――
なるほど、わかった。
でも残念だけど
愛麗にも
ちゃんと奢ってもらうから
―end―
(送信、と……)
ちゃんとハートマークも忘れずに、普段、あまり絵文字は使わないけど特別に。
きっと今頃愛麗悔しがってるだろうな、なんて携帯画面を見ながら微笑みを浮かべていたら、横から手が伸びてきて、携帯がかっさらわれた。
「あ、」
「……誰にメールしてたんだよ」
不機嫌そうな声で聞かれて、瞬きをする。
「誰に、て愛麗だけど……」
「んなもん後でいいだろ」
そういうなり疾風は、私の携帯を自分のポケットの中に仕舞った。
「私の携帯、」
「後で返す」
降りるぞ、と言われて私は、渋々車から降りた。