狂愛彼氏


―――――――
―――――


私のテンションは最高潮に達していた。


「っ~~!!」


言葉にならない。
何、これ、ヤバイです。


「うまいか?」

「私、もう死んでも良い……」

「……大袈裟」


流石、行列が出来るだけのことがある。私は、目の前にズラリと並べられたケーキ達を一つずつ平らげていっていた。
カフェなのに、ケーキはバイキング形式。しかもケーキは一口サイズなので沢山の種類が食べられる。


「はー、幸せ」


一口食べては、頬が自然と緩む。
反対側では、私が食べているのを眺めながら疾風が珈琲を飲んでいる。


「ほんと、幸せそうだな」

「うん」

「そんな食って大丈夫か?」

「食べても太らないの」


また違うケーキを一口。


美味しい。


ケーキを頬張りながら、私は、疾風の前を見る。
珈琲だけで、何も他に置かれていない。
確か、甘いもの好きじゃなかったんだっけ?
食べたら美味しいのに。


「食べないの」

「俺はいい」


お前の食べてるの見てたら腹一杯になった。
そう言って両口端を軽く上げる疾風。


すると、疾風の手がスッと伸びてきて、私の頬を親指で撫でた。


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