狂愛彼氏
昔ばなし
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『ピピピピピ!!!』
けたたましく鳴り響く目覚ましを、私は煩わしげに止める。
「朝、………」
目覚ましを見つめ時間を確認してからゴロンと体勢を変える。
「ねむ………」
ふぁ、と大きな欠伸を一つ。
昨日寝るのが遅かったから、かなり眠い。言わずもがな、理由は昨日の疾風の行動だ。
口に触れた熱い柔らかいもの、それは疾風の唇………つまりキスされたってこと。
「分かんない………」
疾風がどうしてあんなことをしたのか、私には気の迷いにしか思えない。
それに、
「何を思い出せって……?」
そう、これだ。
何を思い出せばいいのか分からず、グルグル考えていたら寝るのが遅くなってしまったのだ。