狂愛彼氏
昔ばなし


―――――――――
―――――――


『ピピピピピ!!!』


けたたましく鳴り響く目覚ましを、私は煩わしげに止める。


「朝、………」


目覚ましを見つめ時間を確認してからゴロンと体勢を変える。


「ねむ………」


ふぁ、と大きな欠伸を一つ。
昨日寝るのが遅かったから、かなり眠い。言わずもがな、理由は昨日の疾風の行動だ。


口に触れた熱い柔らかいもの、それは疾風の唇………つまりキスされたってこと。


「分かんない………」


疾風がどうしてあんなことをしたのか、私には気の迷いにしか思えない。


それに、


「何を思い出せって……?」


そう、これだ。
何を思い出せばいいのか分からず、グルグル考えていたら寝るのが遅くなってしまったのだ。


< 50 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop