狂愛彼氏
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待ち合わせは、学校の校門前。
どうやら迎えに来てくれるみたい。
「彼氏、学生?」
「そー」
「タメ?」
「二つ上」
手鏡で化粧のチェックをしている愛麗に、へぇー、と返す。
チラッと愛麗を横目に見ると、鏡に釘付けになっている。
別にそこまで見なくてもいいと思うのは私だけ?
ガッツリメイクでとても可愛い。
でも私は、素の方が好き。
そんなに化粧にこだわらなくてもいいのにって思う。
私は、どちらかというと化粧は苦手でいつも必要最低限。
女捨てているといつの日だったか愛麗に言われたことがあったけれど、私はそれでいいのだ。
やっぱり私と愛麗の間に境界線が見える。
系統の、違い。
(愛麗は、何で私といるのかな?)
ずっと不思議に思っていた。
私と違って同じ系統の友達が沢山いる愛麗は、必ずといっていいほど私の所に帰ってくる。
どんなことがあっても。
(長く一緒にいるから、とか?)
でも、せっかくの愛麗の人生で今は遊びたい時期。
長く一緒にいたから、なんて理由にしなくてもいいのに。
「ねぇ、愛麗」
「ん~?」
ようやく鏡から離れると、愛麗は私をその目に映す。