狂愛彼氏
何をそんなに見つめているかと思えば、ジッと甘いものを見つめている女。
『甘いもの、好き?』
『………』
女は答えず、その場を離れると、レジの方へ、無言のうちに早くしろと催促されているようだ。
俺は、女をジッと見つめた後、やれやれと一つだけスイーツを取りレジに向かった。
――――――――――
―――――――
何とか家を聞きだし、女の家につく。
一軒家ではなくマンションだった。
『……ありがとう』
ヘルメットを返しながら不本意なありがとう。
俺は、小さく笑うと女にコンビニ袋を渡した。
『なに』
『やる』
『いらない』
『俺も』
無理矢理女の手に持たせる。
女はこれまた不本意そうに眉を寄せ、仕方なくそれを手に俺に背中を向けた。