狂愛彼氏



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「それから、お前引っ越したろ?探したけど見つからなかった」


優が見つけたと言ってきた時は心底驚き、そして嬉しかった。


「久しぶりにみたら、もう一人もお前もだいぶ変わっていたし」


でも、見つかってよかったと疾風は言う。私はと言うと、五年前助けてくれたのが疾風だと聞いて驚いて頭が上手く働かなかった。


誰かに助けられたのは覚えていたけれどその後一週間以上寝込んでしまったため記憶に残らなかったのだと思う。


それから時間は過ぎていって記憶は薄れていった。
もうなかったことにしたかったから。


「………遥?」


彼がいうならば五年間彼は私を忘れることはなかったのだろうか。


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