狂愛彼氏


酸素を求めて僅かに口を開けば、待ってましたと言わんばかりにスルリと疾風の舌が侵入してきた。


「ん、はや……は、ふ……」

「…………」


ねっとりと舌が絡み合う。
いつの間にか、疾風の手は私の後頭部に回っていて、それがまた私達の繋がりを深いものにしていく。
口端からは、どちらのものとも分からない唾液が溢れて筋を描く。


「………っ」


どれ程の時間が経ったのか、流石に酸欠状態が続いたので意識が朦朧とし始めた。


弱々しく疾風の服を掴んで訴える。


「っはぁ……は、」

「は………」


気付いて疾風が唇を離すと、銀色の糸が引いた。


肩で息をしながらぐったりと力なく疾風に寄りかかる。


「はぁ、はぁ、」

「………大丈夫か?」


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