狂愛彼氏
え、嘘………!?
グッと下半身に力を入れても微動だにしない。
「あー……砕けたか」
「え?」
「ちょっと激しすぎたか?」
苦笑しながら疾風は腰を折ると、私の背中と膝裏に手を差し入れて、抱き上げた。
「は、疾風!!」
「軽すぎ」
「軽くないっ、下ろしてっ」
わーわー頭の中ではパニック状態。
お姫様抱っこなんて恥ずかしいっ!!
下ろしてと訴えるけれど無視。
疾風は、私を抱えたまま部屋の中に入った。
1LDKのリビングには、黒を基調とした内装で薄型テレビに黒いソファー。
私はその黒いソファーに下ろされた。
ギシリとスプリングが鳴る。
「………疾風」
「ん?」
「近い、よ」
至近距離にある綺麗な顔に私は直視する事が出来ずに俯く。