狂愛彼氏
「なぁ」
下を向いていた私の顎を掴み疾風は上を向かせる。
唇が触れ合いそうな距離に私は微動だにすることが出来ない。
「俺は、……重いか?」
「?」
なんのことだろうと思う。
確かにソファーに押さえつけられているからそれなりに重さを感じるが、そこまでではない。
「違う………俺の想いだよ」
(想……い…)
「さっきのあの女にもそうだ………俺は、遥には俺以外誰一人その瞳に映らなければいいと思ってる」
「!」
目を見張った。
確かに疾風は愛麗にもそうだった。
愛麗と話しているだけで不機嫌になっていたのだ。
「俺は、自分で抑えきれないくらいにお前が好きだ。」
疾風の右手が私の目の下を優しく撫でる。