狂愛彼氏
「なんていうのかな………」
初めて抱く感情だから上手く言葉に現せない。
嫌じゃない。それは確かなことで。
それを別の言葉にするなら………
「安心、する……?」
探し当てた言葉を口にすれば妙に納得した。そうだ。疾風の私に対する想いに私は、安心するんだ。
「遥………」
「疾風………」
疾風の両手があたしの頬を優しく包む。
「良かった」
フッと微笑んだかと思えば、ニヤリとした笑みに瞬時に変わる。
ピシリとあたしの体が固まった。
な、なんか嫌な予感が………
「実は、さっきのあれ、まだ収まってねえんだ」
さっきのしおらしさはどこへやら、疾風は、ソファーの上にいる私に体重を更にかけてきた。