狂愛彼氏
ギロリと睨まれて、ヒッと息を呑む。
「そ、そういう意味じゃない!」
ブンブンと必死に首を振れば、疾風はかむかむと手招きをする。
そろそろと近づけば、グイッと引っ張られた。
「っきゃぁっ………っ」
身構えていたつもりだったけれど、見事に疾風にダイブ。
「っいたぁ……」
「それは災難だな」
「誰のせい………っ!!」
抗議しようと顔を上げれば、疾風の顔は私の首に埋まっていて、きつくその箇所を吸われた。
ビクッと体が跳ねる。
「また、綺麗についた」
「っ疾風っ」
「俺のものってシルシだ」
優しくいとおしそうに撫でられ、私は、何も言えなくなる。
「シルシって……」
「足りないか?」
「!!!」
いや、充分ですよ!!