ごめん。俺、バカで
「いや、千愛希ちゃんに……」


「いや、あれ完全に嫌われてんだろ。やめとけ」



ヒロにバッサリと斬られる。


「グサってささったぞ!いま刺さったぞ!」


「はいはい。邪魔」



俺をどかせて、自分の椅子に座る。



「本日2度目の邪魔いただまきましたー」


「うざい」


「慣れてる」



ヒロにこんなことを言われるなんて日常茶飯事。
でも、俺達はこれでなりたってんだと思う。



「つーか、笹波さんがどうしたんだよ」


「スタジオで撮影してたんだ……」


「へー、モデルなの?」



これにはヒロもびっくりしたようで、目を丸くしてる。



「なのかな。最近はいったらしいけど。人違いって言うんだよ。絶対そうなのに」


「まぁ、知られたくないとかあんじゃね?お前はもう少し空気読めよ」



……空気。
昔から俺が1番苦手な部分だ。

わかってる。
ちゃんと相手の気持ちを読み取らなきゃなんないってこと。

でも、上手くできない。

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