ごめん。俺、バカで
「空気なんて読めねーよ。空気なんてそこで流れてるもんしか知らねぇよ」


「流れてるもんも見えねぇだろ」


「うるせー。揚げ足とるな」



どうやったら、その空気とやらは読めるんだよ。



「ヒロ、教えてくれよ。空気ってどう読むんだよ!」


「そのバカなくせばわかる」


「なくせねーから聞いてんだよおおおお」


「うぜー、離れろ」



ガラっとドアが開いて、担任が入ってくる。



「やべ、席もどんなきゃ」



自分の席を戻ろうと歩き出せば、千愛希ちゃんも席へと歩いてきてた。

今日はうまくいかなかったけど、次こそ!
あの笑顔を見たいんだよ、俺は。
ただそれだけ。



すれ違いそうになるときに、千愛希ちゃんに向かってピースをしてみる。
当然彼女は表情を崩すことすらしないけど。

俺はなにがしたいんだろうな。
笑顔を見たいのはたしかだけど。

なんでこんなに笑顔がみたいのかはわからなかった。


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