ごめん。俺、バカで
「はーい!今日は席替えなー」



5時間目のホームルーム。
担任が教卓にくじ用の箱を置く。



「そういや、この席もう結構経ったもんねー」



隣の席の子が俺に話しかけてくる。



「だなー。いま1番後ろだからよかったのになぁ」



ここの席、寝るのに超気持ちいいんだよ。
あまり先生からも見えないし。



「この列からくじ引きにこーい」



担任が言ったのは俺らの列。



「俺またここがいいなぁー」



なんて言いながらくじをひきにいく。



「上田には是非とも1番前になってもらいたいね」


「ぜってぇーやだ!」



この担任、俺を餌食にするつもりか!



「うっ……」



引いたくじはまさしく、教卓の真ん前。



「……最悪」


「お前、教卓の前じゃん!」


俺のくじを覗き込んだヒロがゲラゲラと笑ってる。



「俺のお昼寝タイムさようなら」


「授業を勝手に昼寝にするな!ほら、黒板書いてこい」



担任にチョークを渡され、しぶしぶと名前を書く。

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