ごめん。俺、バカで
「もう、いい」



呆れたように俺を見てからそのまま背を向けて歩き出す。

……やばい、完全に怒らせたみたいだ。



「千愛希ちゃん!」



慌てて千愛希ちゃんの前に立つ。



「構わないでよ。あたしに」


「なんで?構いたいもん」



なんでかわからないけど、千愛希ちゃんに話しかけないとって思う。



「本当にわからないの?」


「え?」


「さっきあたしが言った意味」


「……え?」



首を傾げると〝本当にバカ〟と言って歩き出す。



「なんだよ、結局バカかよー」



言われ慣れてるその言葉になぜか嬉しくなって、千愛希ちゃんの隣を俺も歩く。



「バカ」


「何回いうんだよー。でも千愛希ちゃんに言われるバカは心地いいな」


「なにそれ」



プッと吹き出す千愛希ちゃん。



「クールビューティーがバカって言うなんてなかなかないよ?」


「クールビューティーってなんなのよ。あたし別にクールじゃないし……」

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