ごめん。俺、バカで
「上田なんか元気なくね?」



俺の横を通り過ぎようとしたヒロに声をかけられる。



「病気かもしれないから」


「は?」


「死ぬんじゃないか。そろそろ」


「おまっ、何言ってんだよ?」



ヒロが俺の横の席に座る。
要するに千愛希ちゃんの席。



「あれ、これ笹波さんのじゃん」



俺の机の上にある教科書の名前に触れる。



「あー、俺忘れたからさ。使っていいよって」


「へ?笹波さんは?つーか昨日は見せてくれてただろ」


「ん。今日は借りてくるって」



はぁっとため息をつく俺に首をかしげるヒロ。



「つーか、笹波さんとなんかあった?」


「んー。告られて振った?」


「は!?贅沢!」



ゲラゲラと笑うヒロに殺意さえ芽生える。

こいつは本当に俺の友達なのだろうか。



「好きじゃねぇとつきあえないだろ」


「そうだけど、お前は笹波さんのこと好きなんだと思ってた」


「……へ?」



自分でも考えたことのなかったことに目が点になるのがわかる。

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