ごめん。俺、バカで
「そりゃ、うまくいけばな。でも好きになるとどうしても嫉妬っていう感情が出てきちまうんだよ」


「嫉妬……」



いままでにない感情に、俺の心は揺れていた。

でも、たしかに感じたことがある。



──千愛希ちゃんが好きだ。
ヒロに教えてもらってやっと気づけた。

昨日、恋愛感情で見てないとか言って振ったくせに、今日には好きになってるとか。



「つーか、早く言えよ?」


「え?」


「振った手前とか言ってたら、新庄に取られんぞ」



ヒロが出した名前に、俺の心はどんどん黒ずんでいく。

恋をすると、人って感情がわけわかんなくな?んだな。



「あ……」



横の席に座った千愛希ちゃんが声を漏らす。



「ごめんね、借りたくせにサボって」


「別に」



俺の方を見ることもなく、次の授業の準備をしてる。



「千愛希ちゃん、今日一緒に帰らない?」


「はぁ?」



やっと俺の顔をみた千愛希ちゃん。
どう見ても嫌そうな顔をしてる。

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