ごめん。俺、バカで
「お前なんかよりずっと見てきてんだよ……」



悲しそうな顔になる新庄。



「……新庄」


「なんで俺じゃねぇんだよってずっと思ってた……やべ、先生来るわ」



新庄がそのまま教室にはいろうとする。



「マジかよ」



何のために新庄に話しかけたのかこれじゃ分からねぇよ。



「千愛希なら、図書室だと思うよ」


「……あ」



気づいたときにはもう新庄はいなくて、感謝さながら、先生に気づかれないように階段を下った。



「図書室か……」



つーか、あれ確実に新庄も千愛希ちゃんのことが好きだよな。

〝流星〟って呼ばれてたよな。
俺だって、呼び捨てにされたいのに。

俺には呼んでもらえない、その呼び方にまた感情が黒くなる。



「あーもうわけわかんねぇ」



本当にいままで黒い感情なんて持ち合わせてなくて。
いままでにない感情が多すぎて戸惑うばかり。

恋するってこういうことなんだな。

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