ごめん。俺、バカで
「千愛希ちゃん、大丈夫かな」



とりあえず、もしかしたら泣いてるかもしれないとか。
泣いてるなら、涙を止めてあげたいとか。

自分のせいで泣かせたわけだけど。
ただ、ただ空気の読めない自分を恨む。

空気の読み方なんて多分、このさきもわからないけど。

でも、それでもきちんと言葉を伝えたい。

──好き。
この二文字を伝えたい。



「千愛希ちゃん……」



口するだけでドキドキするその名前。

俺のこと嫌だって思ってないことを祈るばかり。
たった1日で変わるわけないと信じてる。

俺は、多分。
あのスタジオで初めて見た笑顔に一目惚れしたんだ。

だから、見つけたら。
きちんと、その想いを伝えさせてほしい。



「俺の声を聞いてほしい」



嘘、偽りない俺の気持ちを言うから。
気づけなかった思いをきちんと伝えるから。

バカな俺だけど。
でも、こんなバカでも千愛希ちゃんのこと大切にしたいって思ってる。


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