ごめん。俺、バカで
「……千愛希ちゃん」



図書室に入れば、椅子に本当に千愛希ちゃんが座っていた。

新庄が千愛希ちゃんのことすげぇわかっていることに嫉妬するけど。
でもいまは、感謝の方が強い。



「……なんで」



突然現れた俺に気づいて、慌てて制服で目をゴシゴシしてる。



「泣かせてごめん」



千愛希ちゃんの前に駆け寄って、目を擦る手を止める。



「赤くなっちゃうよ」って。


「なんで、ここに来たの……」


「泣いてるんじゃないかなって思って」



千愛希ちゃんの前で少し屈んで、頬に流れる涙を拭う。



「あたし、昨日振られたんだよ?」


「うん、俺振ったね」



バカだと言ってくれてもいい。
それでも俺はいまは、ハッキリしてる。


──君が好きだって。



「どうして、こんなことするの?諦めれるまで放っといてよ」


「諦めるの?」



そっと、髪の毛に触れるとビクッと肩を揺らす千愛希ちゃん。

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