ごめん。俺、バカで
「あの子って隠れ可愛いキャラ!?」


「はぁ?バカ?隠れてないだろ。しかなんだよ、そのバカみたいなネーミング」



雄耶は学校でのあの子を知らないからだ。
ギャップを知らないなんてもったいねぇな。



「やっぱり俺!友達になってくる!」


「は?」



雄耶の反応も気にせず、あの子が歩いてったほうへと俺も走る。



「あっ!いた!」



俺の声にか、バタバタと走る足音か。
どっちにかはわからないけど、気がついて立ち止まる。



「ねぇ!同じクラスだよね!?」



振り向いた彼女の腕を掴んで聞く。



「人違い……じゃないですか?」


「え?西高の2年1組だよね?」


「違いますけど……」



彼女はそれだけ言うとまた俺に背を向けた。



「そ、そんな馬鹿な!」



絶対さっき見た表情はクラスにいるはず。



「チアちゃって呼ばれてたよなぁ……」


学校での名前を思い出そうとしたけど、全然思い出せない。

……あの子、誰と仲いいっけな。
誰かと話してるとこって言うのが思い出せない。
思い出すのは、毎日本を読んでる姿。

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