ごめん。俺、バカで

クールビューティ!

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「チアちゃん?」



次の日の朝。
学校に行くと、既に彼女はきていて。
いつものように本を読んでいたから、そう呼んでみた。

本からゆらりと顔をあげて、昨日みたあの顔が俺の視界にも映る。



「何の話ですか?」



俺の顔をみて一瞬目を見開いた気がしたけど、それもほんと一瞬。

その次の瞬間、彼女の視線はもう本のページあっと。



「昨日、親父のスタジオであったよね?」


「人違いです」



今度はこちらを見ようともしないで、本を見たままではなす。



「だって、スタジオでチアちゃって呼ばれてたよね?笹波千愛希ちゃん」



昨日の夜。
クラス名簿で彼女の名前を知らべた。



「これ以上、邪魔するならあたしがいなくなる」



ガタンと立ち上がって、本を持ったまま教室を出ていく。



「あー!もう一度笑顔みせてよ!」



そう思ってるだけなのに、怒らせてしまったみたいだ。



「なにやってんだよ、上田」



後ろを見れば、呆れ顔で俺を見下ろすヒロの姿。

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