あなたが帰るまで
揺れがおさまって顔をあげると地震前の光景とは変わり果てた現実があった




あたりが白く見えほこりや壊れた壁や天井の板も散乱している



なにやら焦げ臭い臭いもしていた




「ママ~!痛いよ~!」




さっきの男の子が気になり目を向けると




商品棚の下に足を挟まれていた



叶はすぐ立ち上がり足元の瓦礫を避けながら男の子の方へむかう



赤ちゃんが気になったけど今は男の子を助けるのが先




とっさに棚に手をかけ持ち上げようとするが重くてびくともしない




「痛いよ~!ママ~!」




「すぐ助けるから待ってね」
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