王族の婚姻をなんだと思っていますか!
確かに、家のなかでは木刀を振るっていたりはしたけど、表では侯爵令嬢らしく、どこにでもいる娘だったと思う。
社交シーズン中は舞踏会にも通っていたし、お婿さん候補の何人かとダンスも踊った。
シーズンの終わりかけには、いい感じになった人だっていたはずなんだけど……。
あれだよね。子爵家のミリィが伯爵家の次男に言い寄られてたのを、助けたことがきっかけだよね。
当時のミリィは、すでに幼馴染みの子爵が婚約者に決まって、嬉しそうにしていた。
それをカヌー伯爵家の、あの次男がいきなり現れて『あんな田舎子爵に嫁ぐより、伯爵家の嫁の方が贅沢できる』とか、言い始め、何度も断るミリィの腕を掴んで庭に向かおうとした。
だいたい、伯爵家は長男が継ぐはずで、次男のあんたになんの権利があるのか、未だに問いただしたい。
とにかく、こいつの頭は沸いてるんじゃないかと思って、気がつけば間に入って……。
言い争いの後、激昂した子爵家の次男坊が拳を振り上げたのを見た瞬間、私は彼の腕を掴んで投げ飛ばしていた。
すごい騒ぎになったよねー。
それ以来、その伯爵家のぼんくらは、チクチクと嫌味を言うようになって、気がつけば私は『男を投げ飛ばす暴力女』と陰で言われるようになったんだ。
ミリィは何度も何度も訂正してくれたけど、もともと引っ込み思案の子だし、私は私で社交の場に出なくなっていった。
社交シーズン中は舞踏会にも通っていたし、お婿さん候補の何人かとダンスも踊った。
シーズンの終わりかけには、いい感じになった人だっていたはずなんだけど……。
あれだよね。子爵家のミリィが伯爵家の次男に言い寄られてたのを、助けたことがきっかけだよね。
当時のミリィは、すでに幼馴染みの子爵が婚約者に決まって、嬉しそうにしていた。
それをカヌー伯爵家の、あの次男がいきなり現れて『あんな田舎子爵に嫁ぐより、伯爵家の嫁の方が贅沢できる』とか、言い始め、何度も断るミリィの腕を掴んで庭に向かおうとした。
だいたい、伯爵家は長男が継ぐはずで、次男のあんたになんの権利があるのか、未だに問いただしたい。
とにかく、こいつの頭は沸いてるんじゃないかと思って、気がつけば間に入って……。
言い争いの後、激昂した子爵家の次男坊が拳を振り上げたのを見た瞬間、私は彼の腕を掴んで投げ飛ばしていた。
すごい騒ぎになったよねー。
それ以来、その伯爵家のぼんくらは、チクチクと嫌味を言うようになって、気がつけば私は『男を投げ飛ばす暴力女』と陰で言われるようになったんだ。
ミリィは何度も何度も訂正してくれたけど、もともと引っ込み思案の子だし、私は私で社交の場に出なくなっていった。