王族の婚姻をなんだと思っていますか!
***
セレスティア王都の構造はけっこう簡単。
広い平野は、山々に囲まれたお盆のような構造。
山裾の下の方に町が広がり、ゆるやかな坂を上がるにつれて裕福な商家が増える。
その坂を登ると、今度は貴族たちの邸が大きく幅をきかせていた。
そして、その貴族の邸を後にすると東西に渡る谷のような堀があり、中央に跳ね橋がかけられている。
その奥が王城だ。
有事の時には跳ね橋は落とされて、城は要塞になるけれど、歴史の蔵書を紐解いても、セレスティアが戦に巻き込まれたことはほぼない。
そして跳ね橋を渡ると高い城壁とご対面。
城門の門番に馬車を止められ、中を改められた。
「ああ。侯爵家の姫様か。今回はたいした武勇伝でしたな」
顔見知りの門番にニヤリとからかわれ、私は笑い返しながら、バスケットを片手に馬車を降りる。
城門を抜けると外宮だ。
騎士団の詰め所や演習場、闘技場、厩舎や畑などがあって、その奥に白亜の城が見える。
雪に埋もれるタニラ山脈を背に、いくつもの塔を持ち、美しいままの古い城。
この城はセレスティアの誇りでもある。
王宮の奥棟は王族が住む居住区、国王が執務を取る執務室などがあり、王宮の外側は貴族たちが執務を取る各役所の建物がほとんど。
その他にも宮廷会議を行う部屋が連立していて、謁見室や、舞踏会を開く大広間などもある。
そういった城の内部のことを、私たちは総称して“内宮”と呼んでいる。
セレスティア王都の構造はけっこう簡単。
広い平野は、山々に囲まれたお盆のような構造。
山裾の下の方に町が広がり、ゆるやかな坂を上がるにつれて裕福な商家が増える。
その坂を登ると、今度は貴族たちの邸が大きく幅をきかせていた。
そして、その貴族の邸を後にすると東西に渡る谷のような堀があり、中央に跳ね橋がかけられている。
その奥が王城だ。
有事の時には跳ね橋は落とされて、城は要塞になるけれど、歴史の蔵書を紐解いても、セレスティアが戦に巻き込まれたことはほぼない。
そして跳ね橋を渡ると高い城壁とご対面。
城門の門番に馬車を止められ、中を改められた。
「ああ。侯爵家の姫様か。今回はたいした武勇伝でしたな」
顔見知りの門番にニヤリとからかわれ、私は笑い返しながら、バスケットを片手に馬車を降りる。
城門を抜けると外宮だ。
騎士団の詰め所や演習場、闘技場、厩舎や畑などがあって、その奥に白亜の城が見える。
雪に埋もれるタニラ山脈を背に、いくつもの塔を持ち、美しいままの古い城。
この城はセレスティアの誇りでもある。
王宮の奥棟は王族が住む居住区、国王が執務を取る執務室などがあり、王宮の外側は貴族たちが執務を取る各役所の建物がほとんど。
その他にも宮廷会議を行う部屋が連立していて、謁見室や、舞踏会を開く大広間などもある。
そういった城の内部のことを、私たちは総称して“内宮”と呼んでいる。