王族の婚姻をなんだと思っていますか!
サラサラとなんでもないことのように言われて『あ。そうか』と、今さら納得する。
情報があるかないかで、作戦の組み立てかたは違うかも。
確かに大切だ。ちょっとしたことで勝敗を左右してしまう可能性だってある。
そして、これが“戦場”なら、フェリシティオ侯爵家の娘である以上、私は立ち向かわなければ。
手を差し伸べてくる殿下を見上げ、その手を力強く握りしめる。
「一緒に立ち向かいましょう!」
「いえ。のんきに楽しむつもりでいますけれど」
あっさり裏切られて、思わず力が抜けそうになった。
……わ、わけわからん人だよね、この人も。
「私は凡庸な王弟ですからね。下手に動くと政治的にややこしくなるんですよ。王太子がもう少し大人になれば、もっと動きやすくなるのですが」
笑顔のままで、微妙に寒いことを言っている。
その上、そう言いながら掴んだ手を引かれて腕にかけられた。
これじゃ、まるで仲良く腕を組んでるみたいじゃないか。
「ウォル殿下……なにをなさりたいんですか」
「せっかくですから、少しはメリットがないと。パートナーに腕も組んでもらえない、情けない男にはなりたくありませんし?」
……ウォル殿下って、意外と腹黒いんかもしれない。
呆れているうちに歩きだされ、溜め息をつきながらも腹をくくる。
私だって、ここまできて尻尾を巻いて逃げるのはプライドが許さない。
やってやるもんね!
情報があるかないかで、作戦の組み立てかたは違うかも。
確かに大切だ。ちょっとしたことで勝敗を左右してしまう可能性だってある。
そして、これが“戦場”なら、フェリシティオ侯爵家の娘である以上、私は立ち向かわなければ。
手を差し伸べてくる殿下を見上げ、その手を力強く握りしめる。
「一緒に立ち向かいましょう!」
「いえ。のんきに楽しむつもりでいますけれど」
あっさり裏切られて、思わず力が抜けそうになった。
……わ、わけわからん人だよね、この人も。
「私は凡庸な王弟ですからね。下手に動くと政治的にややこしくなるんですよ。王太子がもう少し大人になれば、もっと動きやすくなるのですが」
笑顔のままで、微妙に寒いことを言っている。
その上、そう言いながら掴んだ手を引かれて腕にかけられた。
これじゃ、まるで仲良く腕を組んでるみたいじゃないか。
「ウォル殿下……なにをなさりたいんですか」
「せっかくですから、少しはメリットがないと。パートナーに腕も組んでもらえない、情けない男にはなりたくありませんし?」
……ウォル殿下って、意外と腹黒いんかもしれない。
呆れているうちに歩きだされ、溜め息をつきながらも腹をくくる。
私だって、ここまできて尻尾を巻いて逃げるのはプライドが許さない。
やってやるもんね!