王族の婚姻をなんだと思っていますか!
王城での出来事
***
「父上。最近耄碌されたのではなくて?」
忘れ物のバスケット……もとい、昼食をつきつけたら、それを受け取った父上は、私とその隣に立つウォル殿下を交互に見た。
「それにかこつけて、楽しそうにデートしている娘に文句を言われる筋合いはない」
「そんなことしてるはずないでしょう! 殿下とは来る途中で会いましたの! 送ってくださっただけですから!」
「お前も、大変な方に見初められたな」
なにを感慨深げにしているんだ! 妙齢の娘を持つ父親としてなってないんじゃないの?
ここはいたいけな娘を、父親として守るところでしょう⁉
私が“いたいけな娘”に見えるかどうかはともかくとして、ここ最近、毎日昼食を忘れていく父上。
その都度、私が城に来て、何故かウォル殿下と会って、騎士団の詰所まで送られて、そのまま内宮まで連れていかれ、ご飯を食べさせてもらう。
最初はびっくりしたし、まさかの普段着で内宮に入れないからと拒否していたけど、ウォル殿下ってやんわりと強引で、気がつけばご一緒すること多数。
……なんか、慣れてきた。
「次回は母上に来てもらうかな」
ポソリと呟くと、ウォル殿下が私を見下ろした。
「わかりました。私があなたの屋敷に行けばいいんですね?」
来るつもりなんですか⁉
「父上。最近耄碌されたのではなくて?」
忘れ物のバスケット……もとい、昼食をつきつけたら、それを受け取った父上は、私とその隣に立つウォル殿下を交互に見た。
「それにかこつけて、楽しそうにデートしている娘に文句を言われる筋合いはない」
「そんなことしてるはずないでしょう! 殿下とは来る途中で会いましたの! 送ってくださっただけですから!」
「お前も、大変な方に見初められたな」
なにを感慨深げにしているんだ! 妙齢の娘を持つ父親としてなってないんじゃないの?
ここはいたいけな娘を、父親として守るところでしょう⁉
私が“いたいけな娘”に見えるかどうかはともかくとして、ここ最近、毎日昼食を忘れていく父上。
その都度、私が城に来て、何故かウォル殿下と会って、騎士団の詰所まで送られて、そのまま内宮まで連れていかれ、ご飯を食べさせてもらう。
最初はびっくりしたし、まさかの普段着で内宮に入れないからと拒否していたけど、ウォル殿下ってやんわりと強引で、気がつけばご一緒すること多数。
……なんか、慣れてきた。
「次回は母上に来てもらうかな」
ポソリと呟くと、ウォル殿下が私を見下ろした。
「わかりました。私があなたの屋敷に行けばいいんですね?」
来るつもりなんですか⁉