Moonlit Nightmare



私の言葉に返答せず、ヨハンはニコニコと笑みながら私をぐっと引き寄せて、


「う、わ…っ、ちょっとヨハ…、っ……これ…」



ふわりと彼の香りに包まれたかと思えば、私の頭に何かが乗せられる。


これ………花かんむり……?

白い丸い花と青い小さな花のコントラストが美しい花かんむりを手にとって訴えるように彼を見れば、あの綺麗な手が、慈しむように私の髪を撫ぜた。



「気に入ってくれました?」

「………っ」


もしかしてこれ…私のために、ヨハンが…?


あれ、おかしい。何か、お礼を言わなきゃいけないのに。
胸につかえて、出てこない。

頬が、熱い。


こんな感情、…知らない。


「……あり、がとう……」

ポツリと呟くと、ヨハンは満足そうに笑う。



「よかった、気に入ってくれて」

微笑んで、私の頭を軽く、ぽんぽんと叩くダボダボな袖に、「ねぇ」と声を発した。



「…出会った時から思っていたのだけれど、どうしてそんなに服がダボダボなの?」



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